物が飛ぶ ガスコンロが飛ぶ

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3.物が飛ぶ

焼き肉屋の事件から30年

いまは お箸どころか もっと大変なものが飛ばされている。

直近では、ガスコンロが飛んだ。

ガスレンジには、魚焼き器がついているが、あれが飛んだ。

朝食に魚を焼いて、その片付けに 魚焼き器をレンジから引き出し、洗おうとしたらしい。

ところが取り外しがうまくいかなくて、中の皿やらフレームやら、鉄片をむりやりひっこぬいて、つぎづぎと放り投げる。というより床にたたきつけるのだ。

なかには強化ガラスをはめた前トビラまで。

かなり重い物なので、強烈な衝撃をともない、

おおきな音を立てる。

こうしたことを最初の内は、「モノを投げるな!」とか「機械に当たるな!」とか、諫めもしていたけど、近頃は「これは病気のせいなのだから仕方ないよ」

と笑って見過ごすことにしている。

実際 自分としては こうした光景を見ると

「ケタケタと笑いたくなるのだ」

内心「狂った!狂―るった!」とつぶやいたりしている。

この魚焼き器放り投げ事件は、

どうもアスペルガー症候群だけにとどまらず、

認知症のはじまりを示唆しえいるのではないかと疑い始めている。

魚焼き器のような簡単なデバイスが、

分解も組み立ても できなくなってるようなのだ。

たしかに簡単な調理器なのだけれど、

結構パーツの組み立てがややこしくて、

前方後方上下をまちがえると、うまくはめこめなくてイライラする。

しかし落ち着いてやれば出来なくはない。

放り出すから救いようがないのだ。

同じようなことが、先日も起った。

レンジの「温度・時間設定ができなくなった」というのだ。

普段できていたことが、わけわからくなる。

どのボタンをどう押すのか、ひねるのか、

手順が思い出せないのだ。

これって認知症の始まりではないの。

しかし奥さんが 発達障害や認知症で専門医の診断を受けることに 同意するとは思えない。

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